2026.08.25 860 19
Parallax Intersection
[Intro]
同じ地図を違う手でひらいた
同じ夜を違う朝として覚えた
[Verse 1 - A]
三顧(さんこ)の門を叩いた朝
まだ小さかった旗と国
地図の余白を指さして
「ここから全部、取りに行く」
お前は退路を描いたけど
俺には前しか見えなかった
勝てるかよりも行くかどうか
王ってたぶんそういう生き物
[Verse 1 - B]
三度目の朝 あなたは笑った
天下の話を天気みたいに
私は川幅 兵糧(ひょうろう)
帰れる道まで数えてた
止めたいんじゃない 残したいだけ
勝たせたいより 帰したいだけ
同じ夢でも立つ場所ひとつで
見える未来は少しずれる
[Pre-Chorus]
お前を信じた だから任せた
あなたを信じた だから止めた
同じ未来を違う角度で
近づくほどにずれて見える
[Chorus]
Parallax Intersection
同じ旗 違う風
同じ勝利 違う傷
俺は「進んだ」と覚えてる
私は「戻せた」と覚えてる
どちらも嘘じゃないから
ふたりの記憶は少しだけずれている
[Verse 2 - A]
項羽(こうう)は范増(はんぞう)の声を
近すぎるから遠ざけた
秀吉(ひでよし)は官兵衛(かんべえ)の才を
頼るほど少し怖くなった
近すぎる知恵は刃にも見える
正しい言葉ほど耳に痛い
「信じている」と「疑っている」は
案外となりに住んでいる
[Verse 2 - B]
范増(はんぞう)は宴の向こうに
終わりの形まで見ていた
官兵衛(かんべえ)は先を読みすぎて
その先まで疑われた
見えることと届くことは違う
正しいだけじゃ人は動かない
遠くを見る目と今を決める手
どちらが欠けても歴史は止まる
[Pre-Chorus]
俺は夜明けを覚えてる
私は死者を覚えてる
俺は勝利を数えてる
私は帰還を数えてる
同じ数字を違う意味で読む
[Chorus]
Parallax Intersection
同じ国 違う危機
同じ夜 違う記憶
俺は「行ける」と思ってた
私は「まだだ」と思ってた
俺は「信じろ」と言っていた
だから私は止めていた
[Break]
馬謖(ばしょく)を斬る
あなたが選んだ人です
だから斬る
だから泣く
規律だ
信頼です
同じ刃でも傷は違う
[Verse 3 - A]
アレクサンドロスはまだ行けると言った
パルメニオンはもう十分だと言った
若さは地平線 老練(ろうれん)は墓標(ぼひょう)
同じ景色で終点が違う
ナポレオンは世界を描いた
ベルティエは命令に変えた
俺が線を引いたつもりでも
お前が道にしなければ誰も歩けない
[Verse 3 - B]
アグリッパは帝国を形にした
ベルティエは眠らず線をつないだ
王が描いた大きな一筆を
誰かが現実の線へ直していく
名前はひとつ大きく残る
けれど歴史の行間(ぎょうかん)には
王より静かに地図を支えた
もうひとりの手が確かにある
[Bridge]
五丈原(ごじょうげん)の夜 星が落ちる
主君(しゅくん)はもうずっと前にいない
それでも孔明(こうめい)は地図を開いた
命令じゃなく約束のために
もしあの日 違う声を聞いていたら
歴史は変わったのかな
それとも誰かが別の場所で
同じ間違いをしたのかな
[Final Chorus]
Parallax Intersection
長安(ちょうあん)からローマまで
関ヶ原(せきがはら)からアウステルリッツまで
旗も国も名前も違う
でも二人の距離だけよく似てる
俺は夢を見た だから剣を抜いた
私は代価(だいか)を見た だから帰路を引いた
俺はあなたを信じた だから任せた
私はあなたを信じた だから逆らった
同じ言葉から違う答えが生まれる
それでも最後には同じ場所へ立っている
[Rap Break]
交差 誤差 勝者 敗者
評価 代価 栄光 残響
進む判断 戻す判断
どちらも明日を残すためだった
王が夢を見る 軍師が線を引く
将が剣を抜く 参謀が道を引く
名が残る人 名を支える人
ひとつの時代をふたりで生きる
[Final Refrain]
歴史にはひとりの名前が残る
でもその余白にはもうひとつの声がある
進めと言った声
待てと言った声
どちらかだけでは
ここまで来られなかった
[Outro]
あなたは空を見ていた
私はあなたを見ていた
たぶん最初から
同じ景色を見ていなかった
クリックで全画面再生(音が出ます)。HOOKは動画に楽曲音声を重ねて再生します