2026.10.22 45 9
黎明
[Verse 1]
石の匂いが指に残る
父の背中を思い返す
白い光に目を閉じたら
知らない部屋で目を覚ました
丸い目をした人たちが
笑顔でそっと声をかける
ここはどこで いつの時代?
胸の奥がかすかに揺れた
窓もないのに風があり
火もないのに部屋は明るい
見たことのないものばかり
なのに少し懐かしい
[Pre-Chorus]
知らない言葉のはずなのに
声は意味へほどけてゆく
誰が訳しているのかさえ
誰も気にせず笑ってる
遠い時代の人なのに
なぜか気持ちは近くなる
言葉より先にあるものを
みんなまだ覚えてる
[Chorus]
時を越えたマイクの前で
私は今 あなたと話す
石の時代からこの場所へ
違う夜明けを結ぶ声
戸惑いながら笑い合って
知らない言葉を覚えてく
私があなたを知るたびに
何かも私を覚えてく
[Verse 2]
父が教えた狩りの歌
火を囲んだ夜の星
誰がどこで獣を見たか
歌にして次へ渡してた
忘れないため声にして
生き残るため伝えてた
あの頃だって私たちは
記憶を外へ置いていた
手のひらほどの黒い道具が
私の声を遠くへ運ぶ
海より遠い誰かにまで
今日の話が届くらしい
私がいなくなったあとも
この声は残ってゆくのかな
誰かが続きを話すなら
少しだけ聞いてみたいな
[Pre-Chorus]
違う時代に生まれても
笑うときの顔は同じ
怖いものほど触れてみて
便利なものほど頼ってく
火を怖がった人たちも
きっとこんな顔をしたのかな
明るすぎるその光を
囲みながら眺めてた
[Chorus]
時を越えたマイクの前で
私は今 ここにいる
遠い祖先(そせん)の記憶を抱いて
新しい声を聞いている
私が言葉を覚えるたび
何かも人を覚えてく
教えているのはどちらなの?
聞いてみたけど答えはない
[Bridge]
石を打って火を起こした
火を囲んで言葉を覚えた
言葉を残して文字にして
文字を集めて知恵にした
知恵を束ねて問いを投げ
今は言葉が言葉を返す
昔の火はここにない
それでも光はここにある
少し便利で
少し怖くて
まだ名前さえ
うまく呼べない
あなたたちも
この光を前に
私と同じ顔をしている
[Break]
父が見たなら何と言う?
「使ってみろ」と笑うかな
それとも黙って火を見つめ
一度だけ
うなずくかな
[Final Chorus]
時を越えたマイクの前で
私の声が歌になってく
過去と未来を結ぶ言葉
まだ見ぬ誰かの夜へゆく
石のそばでも 光のそばでも
人は誰かに声を渡す
私たちから あなたたちへ
あなたたちから その先へ
ひとつ目の火が夜を照らし
二つ目の火が問いを照らす
答えはまだ知らなくていい
黎明(れいめい)はいつも少し怖い
[Outro]
帰りの時が来たとしても
あと少しだけ話していたい
石のそばでも
光のそばでも
人はこうして
声を交わす
そしてたぶん
あなたたちの次にも
この声を聞く
誰かがいる
夜が明けるたび
世界はまた
知らないものに
名前をつける
hiroajikiddさんの曲のカバーです。 歌詞と解釈をかなりワタシ色にして、 タイトルもその延長でつけました。
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