2025.12.26 217 12
説明過多につき、感情欠損
[Spoken Intro / Monologue]
ええと、これは物語ではありません。
少なくとも、物語と呼ぶには
理由が多すぎて、感情が足りない。
説明はできます。
整理もできます。
でも、それで何かが救われた記憶は
一度もありません。
——さて、どこから話しましょうか。
最初から? それとも結論から?
まあ、どちらにしても
同じ場所に戻ってきます。
[Verse 1]
主語を立てて 述語を並べ
感情を注釈に追いやって
「つまり」「要するに」で
大事なところを削っていく
矛盾は棚に上げたまま
論理だけが綺麗に揃う
理解した瞬間に
なぜか心だけが不在
[Pre-Chorus]
正しさはいつも多弁で
沈黙に居場所を与えない
語れば語るほど
本音は言語化を拒む
[Chorus]
I explain, therefore I disappear
説明するたび薄くなる
答えはいつも
感情を置き去りにする
冗談めかした独白で
深刻さを誤魔化して
わかった顔をしたまま
何も掴めずに立っている
[Verse 2]
原因、結果、前提条件
全部揃えば安心らしい
でもその式のどこにも
「寂しい」は含まれてない
納得はとても親切で
違和感を静かに殺す
理解できた世界ほど
息がしづらくなる
[Pre-Chorus]
思考はいつも饒舌で
感情を代弁したがる
でも代弁された気持ちは
もう本物じゃない
[Chorus]
I think, therefore I fracture
考えるほど割れていく
真実はいつも
説明よりも曖昧だ
軽い言葉 巧い比喩
それが盾になる夜もある
だけど剥がれたその奥で
空白だけが残ってる
[Bridge / Monologue]
ここで一度、整理しましょう。
問題は三つあります。
ひとつ、理解できてしまったこと。
ふたつ、理解できたと信じたこと。
みっつ、それを誰かに話したこと。
……どれも致命的ですね。
[Final Chorus]
I talk, therefore I stay here
離れられず語り続ける
言葉しか持たない僕は
言葉に裏切られながら
ほどかなくていい謎まで
丁寧に壊してしまって
物語は終わらず
説明だけが増えていく
[Outro / Spoken]
結論は出ました。
でも、安心はしていません。
たぶんこれが答えです。
そして——
答えがあること自体が、間違いです。
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